コピーライティングでは「対比」が欠かせません。

自分の立場から主張するだけでは、
何の説得力もないからです。

広告に説得力を持たせるためには、
別の立場からも論じていく必要があるのです。

その際に使われる手法が「対比」です。

対比を使うと、コピー全体に「メリハリ」が生まれ、
構成がわかりやすくなるというメリットもあります。

いろいろな対比

コピーライティングで「対比」を使う場合は、
「自分の主張」と「それに対立する立場」を比較します。

そうすることによって、
こちらの主張が際立つわけです。

悩みと対比させる

「悩み」と「商品を使った場合のメリット」を対比させます。

そうすることによって、メリットのインパクトが強くなります。

たとえば、
広告の冒頭で「〇〇でお悩みのかたへ」と伝えた直後、
メインのヘッドラインで「メリット」を伝えれば、
訴求性が強くなります。

メリットだけのヘッドラインよりも
インパクトが強くなるのです。

「悩み」と「解決策」を対比させることで、
解決策がよりいっそう際立つわけですね。

商品を購入しなかった場合と対比させる

これは、商品の価値を
十分に伝えきったあとに有効です。

たとえば、広告の最後で使ったりします。

「商品を購入しなかった場合のデメリット」

これを最後に伝えることで、
読み手に「恐怖感」を与え、背中を押す効果が期待できます。

ライバルと対比させる

「紹介する商品」と「ライバルの商品」を対比させます。

この場合、ライバルのいい面を素直に認めることがポイント。

そのうえで、こちらの商品のメリットを伝えることで、
非常に説得力のある展開が可能になるのです。

読み手の反論を持ち出す

これは一見、対比に見えないかもしれませんね。

しかし、相手が感じる「反論」をあえて持ち出し、
それを反ばくしていくことは「対比」なのです。

「読み手の反論」
「それに対する反ばく」

この対比構造ですね。

「読み手の反論」を持ち出した時点では、
こちらが不利な状況にあります。

しかし、それに反ばくして覆したとき、
みごとに相手を説得できるのです。

話に緩急をつける

まずはボディーコピーのなかで、
あえて話を盛り下げます。

そのあと、本当に伝えたい主張を伝えれば、
その主張が相手に伝わりやすくなるのです。

これも「ローテンション」と「ハイテンション」という
対比になります。

歌でもよく見られますよね。

あえてトーンを落として、そのあと盛り上がるパターン。
それと同じです。

これも対比の一種

一見「対比」に見えないテクニックもあります。

立場を変えて論じるわけです。

たとえば、
「この製品は、肌の乾燥を防ぎ、肌をスベスベにします」
と伝えた直後、以下のように書くわけです。

「あなたは、肌の乾燥がなくなり、肌がスベスベになるのです」

主語が異なることに注目してください。

「この製品」と「あなた」は立場が違います。
「売り手」と「お客さん」が対比構造をなしているのです。

・・・

そのほか、あえて何かを批判することによって、
「自分は、それとは違う立場だ」と主張する方法もあります。

政治の演説でよく見られますよね。

いずれにしても、何か他のものと「対比」すれば、
「自分の主張」を際立たせ、説得力を高めることができるのです。