ロングコピーってご存じですか?

コピーライティング発祥の地・アメリカでは、
もともと、雑誌や新聞に長いコピーを掲載していました。

今のWEB主流の日本では
あまり想像がつかないかもしれませんが、
20世紀後半のアメリカでは、
長い文章主体の(そして多少の白黒画像もある)コピーが主流だったのです。

そのほか、当時のアメリカでは、
個人宅や企業へじかに郵送するDM(ダイレクトメール)も
よく行われていました。(もちろん今でもありますが…)

このタイプのコピーも、
長い文章を書く「ロングコピー」でした。

・・・

こういったロングコピーから派生して、
2000年以降の日本でも一時期、
「セールスレター」なるものが流行ったことがありました。

ご存じでしょうか?

秘匿性のある情報をパッケージにして、
PDFファイルなどにまとめ、
それを高額(数万円程度)で販売していたのです。

WEBの特性を利用して、
とてつもなく長いWEBページがほとんどでした。

冒頭のヘッドライン(キャッチコピー)も、
ズラッと長い文章でした。

こういった縦長の「文章ベース」のページは
一時期は隆盛を誇ったものの、
衰退していったように思います。

あまりに詐欺的な商材が多かったため、
多くの消費者が警戒したのでしょう。

あるいは、規制が強化されたのかもしれません。

・・・

では、かつて隆盛をほこったロングコピーは、
もう使えなくなったのでしょうか?

たしかに、ロングコピーを使える場は
減ったかもしれませんが、まだまだ有効活用できる場が残されています。

たとえば、DM(ダイレクトメール)がそうですし、
WEBのメルマガなどでも、ロングコピーを有効活用できます。

そのほか、何かのサービスページや
コンサルのページであれば、今でも有効です。

長いコピーによって、
その価値を伝える必要があるからです。

もちろん、かつてのセールスレターのノウハウは、
ある程度まで、現在のLP(WEBの販売ページ)にも活用できます。

時代によって形は変わっても
「モノを売る文章術」であることに変わりはないからです。

ただ、そのまま活用できるわけではありません。

たとえば、現在のLPの場合、
華やかな画像やデザインが入っていないと
反応が落ちる可能性があります。

また、動画やチャットAIを取り入れるという
流れになってきています。

つまり、「セールスレター時代の感覚」だけでコピーを書いていたのでは
取り残される可能性があるわけです。

・・・

さらに、今までWEBのロングコピーのスキルを磨いてきた人は、
もうひとつ注意すべきことがあります。

それは、どこまでも長く書くことに慣れてしまい、
文章が冗長になってしまう、という点。

以前、私はロングコピーを書いてきたという人の本を
読んでみたことがありますが、
書いてある内容に、かなり冗長さを感じました。

同じ言葉を、何度も繰り返す傾向があるのです。

セールスレターでは、それでよかったかもしれませんが、
書籍という媒体では「ちょっと、まとまりがないかな」と感じたのです。

ロングコピーを書くことに慣れた人は、
短く簡潔に書くことに苦労するかもしれません。

しかし時代は、短く簡潔に書くコピーをもとめています。

ネットを閲覧する人は、
そのときに限って「気が短くなる」傾向にあるからです。

「ロングコピーは今でも有効か?」

その答えは、ダイレクトメールなど
媒体によっては今でも有効ですが、
WEBにおいては、ある程度、書き方を変えていく必要があるのです。