私は、LPや新聞広告の分析を
毎日行なっていますが、
それだけではありません。

毎日のようにポストに投函されるチラシも、
私の分析対象です。

「なぜ、広告の分析をするの?」
と問われれば、
「そこに広告があるから」
としか答えようがありません。

これを書いている今日も、
チラシを何枚か分析しましたが、
そのどれもが「ダメな広告」ばかりでした。

まず折り方が悪いために、
肝心のヘッドラインが見えません。

だから、チラシを広げる人もいないのです。

仮にチラシを広げてくれた人がいたとしても、
全く訴求性のないヘッドラインですから
困ったものです。その先を読まれないのです。

思わず食べたくなる広告

さて、いつものように私は、
新聞を広げて広告を探していました。

すると、ある広告のヘッドラインに
私の目は、思わず釘付けになりました。

ふだん「ダメな広告」ばかり目にしているので、
こうした「秀逸な広告」がより輝いて見えるのです。

クリックすると大きな字で見れますので、一度よんでみてください。

この広告も、じつにすばらしい。

もしあなたが、甘いもの好きなのであれば、
思わず食べてみたくなりませんか?
(しかも冒頭を見ただけで…)

それは視覚、触覚、味覚に訴求しているからです。

フォークを差し入れたときの「しっとり感」。
その時に、まるで「豊潤な香り」まで漂ってくるようです。

そうなると「嗅覚」にも訴求していることになりますね。

このヘッドラインも、
別の記事で紹介した「90歳のおばあちゃん」と同様、
コピーと写真のコラボが効果を発揮している例です。

つまり写真が、
ヘッドラインの「根拠」になっているのです。

仮に写真がなく、
コピーだけだったとしたら
「食べたい」とはならないのではないでしょうか。

コピーと写真で食欲を刺激された読者は、
真ん中あたりにある「根拠の記述」で
そのおいしさを「確信」します。

その結果、高い確率で
このバウムクーヘンを注文することになるのです。

このように、きちんとメリットと根拠を伝えている新聞広告は、
ほとんどありません。

意味不明なヘッドラインだけだったり、
根拠でもないことを添えていたりするだけなのです。

世の中のLPも同様ではないでしょうか。

「天美卵」というネーミング

このバウムクーヘンの広告では、
「天美卵」というネーミングも根拠の一翼を担っています。

なんだかおいしそうな名前じゃありませんか?

一層一層、しっとりと重なっている天美卵の味わい。

それは熟練の職人が、
直火式の窯で、一層一層ていねいに焼き上げたものと伝えています。

このバウムクーヘンは、
かなりの注文が入っていることでしょう。

それに対して、世の中の食品業界は、
人が口にする商品なのに、
LPの冒頭で、その味を伝えていないものが、どれほど多いことでしょうか。