売れる広告には、信頼が必要です。
そのためには、
広告に「論理性」がなければなりません。
もし仮に、信頼できる人が
何かの商品を勧めてくるのであれば、
とくに論理性も必要ないのかもしれません。
「これ、おススメだよ」の一言で済むわけです。
しかし、そういった信頼関係がない場合は、
広告に論理性が必要になってくるわけです。
それによって、読み手に「信頼」してもらえるからです。
論理性とは?
「論理性」といわれても、
イメージがわかないかもしれませんね。
論理とは、言葉の筋道です。
具体的には、以下の3つで構成されています。
- 具体化
- 対比
- 根拠(因果関係)
まず、もっとも簡単なものが「具体化」です。
「具体」というのは、「抽象」の反対語です。
たとえば「動物」という言葉は抽象的ですが、
「犬」はより具体的ですね。
この場合、「犬」という言葉は、
より具体化されていることになります。
ただ、「チワワ」であれば、
「犬」よりも、さらに具体化されます。
このように具体化というのは、
相対的なものなのです。
広告では、抽象的なことで終わってしまう傾向にあります。
しかし、抽象的な説明で終わってしまっては、
ぼんやりとしたイメージしか与えられません。
ですから、読み手にイメージしてもらうためには、
きちんと「具体化」をすることが大事になるのです。
「対比」によって、広告は躍動する
では「対比」とは何でしょうか。
文字どおり、何かと何かを比べることです。
たとえば、
- ライバルと対比する
- 既存製品と対比する
- 製品を使わない場合と対比する
- 悩みと対比する
こういった「対比構造」を作ることによって、
あなたが主張したい「製品のメリット」が
より際立って見えるようになるのです。
たとえば、自社製品のメリットを伝えるだけでは、
読み手は「他社の製品との違いは?」という疑問をいだきます。
そこで、ライバル製品の特長を挙げたうえで、
自社製品の「ライバルよりもすぐれている点」を挙げるわけです。
その比較が「説得力」を生むのです。
そのほか、悩みと対比することも有効です。
たとえばスキンケア製品であれば、
「肌の乾燥でお悩みのかたへ」という第一文から始めたりします。
そのあと、「肌がうるおう」というメリットを伝えれば、
メリットがより際立つわけですね。
そういった意味でいえば、
「論理性」というものは「訴求性」を助ける要素ともいえるのです。
「根拠」によって信ぴょう性が出る
最後に、「根拠」という要素も重要です。
私はこれまで数千という広告を見てきましたが、
この「根拠」が希薄なものがほとんどでした。
9割以上の広告が、
根拠をきちんと示していないか、
示し忘れているのです。
広告の作り手にしてみれば、
きちんと根拠を示しているつもりでも
根拠にすらなっていないケースが非常に多いのです。
たとえばスキンケア製品で、
「20種類の美容成分を配合」
と書いても、それはメリットを支える根拠にはなりません。
「どんな有効性のある成分か」
を伝えていないからです。
そのほか、「独自配合」「こだわり成分」
「特許を取得」「〇〇処方」。
こういった表現も、根拠にはなりません。
その会社が考えたり、行なったりしたものに
すぎないからです。
根拠というのは、
もっと「客観的な事実」でなければ
信用してもらえないのです。
論理性は「訴求性」を支える
このように、論理性というのは
大きくみれば、結局3つしかありません。
「具体化」「対比」「根拠」の3つですね。
ただし、細かくいえば、
もっといろいろなものがあります。
たとえば、
- 1つの広告内で「矛盾」があってはならない
- 「結論を先」に伝える(論証はそのあと)
- 小見出しだけを見ていっても、論理の流れが理解できるようにする
- 文章冒頭の接続詞で、文章の趣旨を伝える(「しかし」「なぜなら」など)
- 「論理の抜け」「論理の飛躍」「前提の抜け」があってはならない
まだあるかもしれません。
さらに突き詰めれば
「詭弁はいけない」など、まだまだ論理というものは奥が深いものです。
ただ、ここでお伝えした「3つの論理」は、
きちんと押さえることが非常に大事になるのです。
そして、もちろん「論理」だけではモノは売れません。
あくまでも「論理性」というのは、
「訴求性」の補佐をする役割である、ということです。