LP、チラシ、新聞広告…。
こういった広告は、
その冒頭にヘッドラインを配置します。
大きな文字で書かれたキャッチコピーですね。
それによって注意と興味を引くわけです。
そのヘッドラインで何を訴求するか?
それによって広告の構成は
3つのタイプに分かれます。
メリット訴求
オーソドックスな訴求です。
世の中にある広告のほとんどが、
このタイプですね。
ヘッドラインの中に
「読み手のメリットになること」
を含めるやり方です。
そのメリットを見た読み手は
「興味」を覚えるため、
その先を読み進めたくなります。
そして当然、ボディーコピーでは
「メリットの根拠」を中心に構成していくわけです。
「なぜ、そのメリットが得られるのか」
その理由を具体的に説明していくわけですね。
恐怖訴求
ヘッドラインにメリットを含めずに、
「読み手が恐怖をいだくようなこと」で訴求するタイプです。
人には、
「恐怖や痛みを避けたい」
という欲求があります。
これは生来そなわったものですから、
とても強力な欲求です。
その欲求があるからこそ、
恐怖訴求のヘッドラインを見た読み手は、
その先を読み進めずにはいられなくなるのです。
もちろん、ボディーコピーの中では、
「解決策」となるようなことを述べていきます。
そして、うまく商品へとつなげていくわけです。
このタイプは、「恐怖」と「解決策」が
対比構造を成している点にも注目してください。
好奇心訴求
好奇心を刺激して、
広告に引き込んでいく訴求です。
ヘッドラインの段階では、
「何の商品なのか」
「どんなメリットがあるのか」
ということを伏せることが多いです。
しかし、読まずにはいられないように、
好奇心をうまく刺激するわけです。
ストーリーで引き込むのも
この方法ですね。
コピーライティングのパイオニア、
ジョン・ケープルズのピアノコピーが有名です。
この広告では、音楽学校の通信教育を勧めているのですが、
ヘッドラインの段階では、何の話か見えてきません。
しかし、このヘッドラインを目にした読み手は、
「その先が知りたい」という理由だけで
読み進めていくのです。
ストーリーで引き込む場合は、
ストリー自体が「根拠」の役目を果たします。
人は、ストーリーで語られていることを
そのまま信じてしまう傾向にあるからです。
つまり、広告をストーリーで構成すれば、
論理的な根拠は不要になるということですね。
(内容によっては、根拠も必要になりますが…)
もちろん、このタイプも、ボディーコピーの中で
「商品の特徴」や「メリット」を伝えていく必要があります。
好奇心訴求といっても、
本来の目的である「広告」の導入の役割しかないからです。
・・・
以上のように、広告の出だしには
3つのタイプがあります。
結局、どのタイプのヘッドラインであっても、
広告の中で「商品自体の説明」と「読み手のメリット」を
示さなければならないことに変わりはないといえますね。
注意点
ただ、恐怖訴求と好奇心訴求は
それなりの文章センスが必要になるので
高度な訴求法といえます。
ですから、誰でも使えるわけではありません。
たとえば恐怖で訴求しようと思っても、
読み手は興味をもってくれないかもしれません。
好奇心で訴求したつもりでも、
読み手は「その先を読みたい」と思ってくれないことも
十分考えられます。
しかし、メリット訴求であれば、
そのような心配はありません。
ターゲットの悩みを解消し、
願望をかなえるメリットを訴求すれば、
間違いなく反応がとれるからです。
ですから、メリット訴求は「無難な訴求」といえますね。
・・・
そうはいっても、
恐怖訴求と好奇心訴求には
すぐれた点もあります。
それは「広告臭さ」がなくなる、ということです。
メリット訴求をすると、
いかにも「広告」という印象があります。
それに対して、恐怖訴求や好奇心訴求であれば、
お役立ち記事のように見えるわけです。
そういった意味でいえば、
恐怖訴求や好奇心訴求が成功すれば、
メリット訴求以上に読み進めてもらえるともいえますね。